金属製絵具チューブの歴史

ウィンザー・アンド・ニュートンは、業界の進歩に対応し変化をもたらしてきたと自負しています。ウィンザー&ニュートンの膨大なアーカイブには、今回ご紹介する絵具チューブの進化を追った展示物をはじめ、私たちが誇るイノベーションを紹介する品々がたくさんあります。

 

画家のピエール=オーギュスト・ルノワールはこう言っています。「チューブ入り絵具がなければ、後にジャーナリストたちが印象派と呼んだものは存在しなかっただろう  」。ウィンザー&ニュートンのウィリアム・ウィンザーは、このチューブの特許を取得し、芸術家たちの色材の使い方に大きな影響を与えました。

 

クロード・モネを含むこれらの革命的な芸術家たちは、「スナップショットを捉える」ために屋外に出て絵を描き、日常を賛美し、芸術の世界を永遠に変えました。その際、携帯性に優れた絵具チューブが不可欠だったのです。

The Winsor & Newton paint tube, 1840-1911

金属製の絵具チューブは、アメリカの油彩画家ジョン・ゴッフェ・ランドが、屋外で使用する絵具の運搬方法として考案したのが最初です。このチューブは実は絵具を押し出すことができるシリンジで、絵具を長く保存できるため、画家の自由度が増し、色材の劣化が少ないため、より多くのパレットを使用することが可能になったのです。

 

この素晴らしい技術革新を聞いたウィリアム・ウィンザーは、すぐに特許を申請しました。ウィンザー&ニュートンは、「モイスト(湿った)」水彩絵具を製造する唯一の絵具メーカーだったからです。特許を取得すると、ウィンザーはこのデザインに、ある1つの根本的な改良を加えました。それは極めて重要なスクリューキャップだったのです。こうして、私たちがよく知っている絵具チューブが誕生したのです。

 

上の写真では、伝統的な豚の膀胱袋から、1840年のシリンジチューブ 、1904年のチューブキャップまでの道のりをたどることができます。